リチャード3世、シェイクスピアの人気悪役、結婚の口説きは?薔薇戦争、ボズワースで戦死。埋葬場所?ローレンスオリビエ、ベネディクトカンバーバッチの名演技

リチャード3世、15世紀後半にイギリス王でありジェイクスピアの戯曲で有名です。悪役であるがゆえに魅力的です。

病気があるなど、生まれつきに身体的に不利な面もある人物ですが、王位継承をかけた内乱である薔薇戦争を生き抜きヨーク家を兄弟とともに盛りたてました。

最後は、シェイクスピアの戯曲に見られるよう、王国を代わりにやるから馬をくれ、と明言(?)を残して戦死となったのですが、埋葬されたのは以外にもつい最近なのです。

戯曲を使った映画も複数あります。古くは映画ではローレンスオリビエ、1995年に近代風に時代を変えた映画が、現在ではベネディクト・カンバーバッチのテレビドラマ「ホロウクラウン」が人気を呼びました。

薔薇戦争って何?

リチャード3世を含む、シェイクスピアの戯曲で複数の作品で薔薇戦争の、原因から結果まで記されています。

一言で言ってしますと、イギリスの王位継承をかけた内乱です。イギリスの王家血縁が絡まって結構複雑な構成を示しています。

14世紀から15世紀に変わろうとしている頃、在位したプランタジネット朝の王リチャード2世時代に端を発します。リチャード2世は若くして王になったため摂政として叔父がついていたのですが、王としてのにが経つについれて叔父が疎ましくなります。そこで叔父を排除しようとするのですが、王としての資質があまりなかったため、反対に叔父たちから廃位させられ、幽閉されて苦悶のうちに亡くなりました。

リチャード2世を廃位に追い込むため、叔父は他の一族を味方につけます。その叔父はリチャード2世にとって父の弟でありますが、ランカスター家を立ち上げていました。リチャード2世には子供がいなかったので、次の王になる人物は同じく父の兄弟に当たる人物(ランカスターの兄)に継承権がありました。

ランカスター家がリチャード2世を廃位させる時は、本来の継承者を立てる人は誰もいませんでした。そこでランカスターがヘンリー4世となって王位を継ぎ、その後息子のヘンリー5世になった時、リチャード2世の叔父でヨーク家を立てていた兄弟の子孫が、王位継承を不服を申し立てました。当時の王の暗殺も企んでいたと言います。

その時から王位継承に関する意見が分かれ始め、この辺りからきな臭くなり始め、やがて内乱に発展します。

意見の分かれた始めは、ほんの小競り合い程度でしたがその際、ランカスター側が紋章に赤薔薇を用い、ヨーク側が白薔薇を用いたところから、後世薔薇戦争の名前で呼ばれるようになりました。そしてだんだんと内乱へと発展して行きました。

シェイクスピア「リチャード3世」のあらすじから見る悪役としての魅力。まずアンに結婚を迫る

リチャード3世は元々、王位継承順位がかなり下にあり、まず巡ってくるとは考えらにくい地位に位置していました。しかも兄が2人もいる家では相当不利な条件です。

またリチャードには身体的な病気がありました。今で言うと脊柱側彎症だったと言われています。シェイクスピアの中では背中が曲がり大きなコブがあり、手足がねじれている、とあります。戯曲内でのリチャード3世のモノローグに、自分の姿を見れば犬は吠え怯える、と言う意味のセリフがありました。そして容姿もかなり悪かったような記述があります。

当時の王位をめぐる内乱、薔薇戦争で、当時の王位にあったランカスター家を打ち破り、皇太子を殺して勝利し自分の出自であるヨーク家に王位を獲得できた時、ついに野望が目を吹き出します。

まずは皇太子妃だったアン・ネヴィルを口説き落として妻とします。アンはリチャード3世の幼馴染でもありました。その口説きのテクニックがまさに見ものです。

あなたの夫君を殺したのは自分があなた(アン)に恋い焦がれているから、あなたの美しさが自分を殺しに駆り立てたのだ、と。さらに憎むなら、あなたの手でいっそ殺してくれ、と剣を渡そうとします。そして、さあ刺せ、とばかりにアンににじり寄ります。

この迫力に、口説きにアンは負けて、リチャードからのプロポーズを受け入れてしまうのです。これを女の弱さと見るか、リチャードの巧みさに拍手を送るか・・・しかし、美しいと言われて怯まない女性でいられるかって、難しいかもしれない。

王となった兄に仕え忠臣ぶりを示しますが、王に男子が2人生まれたところから、密かに策略を用いながら、王位に向かってグイグイと邁進します。

まず、すでに退位させられロンドン塔に幽閉されていたランカスター家の王ヘンリー6世を暗殺。なお、この事件の真実は解き明かされていません。

ついでは次兄には次期王になる人物とけしかけると同時に、王には次兄に謀反の恐れあり、と讒言して、捉えて幽閉させてしまう。そして暗殺。

王の死後になると、王であった兄は父の子供ではなかった、母と違う人物との子供だと言って王の正統性に疑惑を投げかけた。しかも王子たちの父は重婚しており子供たちは庶子だと言いだし、王位につく血統なしとして訴えかけ、子供の母親(亡王の王妃)には子供たちを守るため、と言って母親から引き離し、ロンドン塔に保護と言う形で入れてしまいました。そしてまた暗殺させてしまうのです。

王位に就く時の巧みさも見物です。ロンドン市長と示し合わせて、人々の目につくところで、市長から王位に就くよう促してもらいます。申し出ををリチャード3世は断り、3度目の申し出でやっと承認する、と言う筋書きを立てて、自分は高潔な人物なのだ、と人々に印象付けます。

そうしてついにリチャードは王位に就きます。リチャード3世の口のうまさはもうピカイチ!聞いているこちらも今度はどう出てくるのだろう、と楽しみになる始末です。

シェイクスピアのあらすじに見る最後 「国をやるから馬をくれ!」と残してボズワースの戦いで散る

リチャード3世として王位についてからは、耐えず疑心暗鬼い陥る毎日となりました。誰かが裏切るのではないか、誰かが自分を嘲笑しているのではないかと・・・周りに絶えず目を配り、側近に密告させる有様でした。

もっともっと自分の格を上げたいため、姪(前王の王女)と結婚さえしようとします。これは高貴なる血ブルーブラッドを目指したのでしょうか?そのため邪魔になった現王妃の殺してしまいます。

ついにリチャード3世の暴虐ぶりに我慢できなくなった貴族たちは反乱を起こしました。リチャード側についた貴族もいたのですが、裏切りも相次ぎ、ボズワースの戦いで結局リチャード3世はついに敵に囲まれて最後を迎えます。

「国をやるから馬をくれ!」そのように叫んだことがシェイクスピア戯曲にあります。最後は自ら斧で果敢に戦ったのですが、何しろ多勢に無勢で全身を滅多刺しにされてボズワースの野で戦死と相成りました。死骸は、当時の敗者の常として、鎧、衣服を剥ぎ取られた状態で晒されました。その後は・・・どうなったかわかりません。

しかし21世紀になり、ひょんなことからリチャード3世の遺体が発見され2015年埋葬されました。

リチャード3世を演じた、ローレンス・オリヴィエの映画、ベネディクト・カンバーバッチのイギリスドラマドラマを見よう スメタナは音楽を作曲していた

リチャード3世はシェイクスピアの戯曲ですので、戯曲の映画化した作品があります。

古くはローレンス・オリビエ。1955年の映画です。数々の映画での功績ため男爵位を与えられています。

次に有名なリチャード3世俳優として有名なのはベネディクト・カンバーバッチでしょう。テレビドラマシリーズで1連の薔薇戦争を描いた「ホロウクラウン」で最後をかざる王、リチャード3世を演じました。

リチャード・カンバーバッチは、見た目が美丈夫でカッコイイ役柄が多いのですが、「リチャード3世」では身体的にも恵まれなかった人物を見事に演じ切っています。リチャード3世が持つ、奇怪さ、それに呼応するような王位への渇望を時には醜悪に、また時には華麗に・・・見るものを引きつけます。

実際リチャード3世は悪役なのですが、主役に対する悪役というシチュエーションではないので。悪役でありながら主役を張っています。これでもかと見せつける悪行が増えれば増えるほど観客はゾクゾクします。まさに悪の華・・・もし歌舞伎なら「いよっ!~~屋」と声をかけたくなるほどです。

悪役であるから、悲惨な最後を迎えるのですが、その最後に観客は涙します。「リチャード3世」の芝居は悪役が徹底しているがゆえに、その悪を堂々と主役であるために、今でも人気があるのです。

役者にとっても、2枚目の役ではないし、役柄は同情の余地もない悪人、自分の役作り一つで観客を魅了できるのだから役者冥利に尽きる芝居、と言っていいでしょう。

リチャード3世に関しては、音楽もありました。スメタナ作曲。スメタナというと「我が祖国より」から「モルダウ」が有名ですね。リチャード3世の曲は交響詩「リチャード3世」と言います。

スメタナはプラハで「リチャード3世」の芝居を見て感激して交響詩を書いたのだそうです。スメタナも、悪役ぶりにシビれたのかな?

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