リア王あらすじ 段田と玉置玲央の役?上白石萌歌の役目 シェーンホームズ演出 時代背景?元はハッピーエンド!セリフは 上演情報

2024年 日本で、また新たなシェイクスピア劇「リア王」の上演が行われています。

キャストに、今をときめく、段田安則と玉木玲央が出演しているではありませんか・・・これは見逃す手はありません。

お二人がどう関わってくるか、劇の面白さを2人の役者の魅力を交えながらお伝えしてきいます。

「リア王」の時代背景も芝居と絡ませてお伝えします。

そして今でも有名な、「リア王」からのセリフも紹介いたします。

合わせて、お楽しみください。

「リア王」のあらすじ

リア王は、イギリスの王で老齢に達したことで引退を考えています。

そして自分の王国を3人の娘に分与しようと決意します。

まずリア王は、それぞれの娘に、自分のことをどれほど愛しているか、を問いました。

長女のゴネリルと次女のリーガンは、お世辞を並べて、どんなに父を愛しているか、父は自分の命より大切に思っているか、などいい、父を褒め称えます。

しかし、三女のコーディリアだけが、素直に「いうことはございません」、「お父様を愛していますが、それ以上でもそれ以下でもありません」と答えました。

実は、コーディリアは、リア王の1番のお気に入りの娘だったのです。

しかし率直な答えをした三女にリア王は激怒し、コーディリアを追放してしまいます。

さらに、リア王に、この考えは間違っていると意見した臣下のケント伯も追放します。

その後、リア王はゴネリルとリーガンに王国を分与しますが、そのための条件は、定期的に長女と次女の館で過ごす、ということでした。

しかし、父が娘たちの家に行ってみると、だんだんと様子が変わってきます。

二人は、滞在の期間をもっと短くしろ、とか、連れてくる従者をもっと減らせとか文句を言うようになりました。

確かに、いくら親とはいえ、老人が自分の家臣大勢を連れて、自分の家にやってきて大騒ぎされるのはたまりません。

ここだけは、二人の姉妹に同情しますが・・・

二人の姉妹はだんだんと本性を表していきます。

ついにゴネリル、リーガン姉妹はリア王を追放し、リア王は狂気に陥ってきます。

そこでリア王が思い出すは、コーディリアへの愛。

後悔の念に駆られますが、時すでに遅しでした。

コーデリアは、フランス王と結婚し幸福を見つけたのですが、父 リア王を救おうとしたことから二人の姉と敵対し、ついには命を落とします。

結局二人の姉も、その悪事のため死ぬ運命となりました。

リア王は、コーディリアの死を知り、絶望し、コーディリアの遺骸を抱きしめ悲し身の中で絶命するのです。

物語の山場は、リア王が破滅に向かいながらも、自らの過ちを悔いる過程です。

リア王役 段田はすごい!

主役、リア王にキャスティングされたのは、段田安則さんです。

イギリスのシェイクスピア俳優が目指す、究極の役の一つが「リア王」です。

役者さんたちにとって、大きな山のような存在だそうです。

リア王自身は、老齢な王なのだけれど、役としては非常に体力を要する芝居です。

段田さん自身も、記者会見で、リア王という山に登って見せますが、途中で転げ落ちるかもしれない・・・などと、冗談も交えて語っておられました。

リア王の性質は、老人特有の傲慢さと、そして孤独・不安を内面に持ち合わせています。

リア王は、3人の娘に、『自分をどのくらい愛しているか?』と尋ねます。

上の2人は、言葉を使っていかに愛しているかを述べます。

しかし、末娘 コーディリアだけは、『Nothing!』でした。

nothingにはさまざまな解釈ができますが、リア王はその真意を汲み取ろうとはしなかった・・・

この部分が、「リア王」の芝居では一番の見せ場です。

観客は、「このジジイ(リア王のこと)、もう認知がきたか?」と思いたくなるシーンです。

やがてリア王は、言葉と現実のギャップについていけず狂気に陥りますが、そこで使う体力は相当なものです。

リア王は、娘たちから見放されどんどんと、正気を失っていきますが、その過程が、「リア王」という芝居をどんどん盛り上げます。

段田安則さんの、リア王は迫力満点です。

さらに、傲慢さを、発揮するのですが、どこか憎めなくて、観客からの共感を集めるのです。

そこが今回の芝居の素晴らしいところでした。

リア王 玉置玲央 悪役再び

リア王に、今 NHK大河ドラマで活躍中の 玉置玲央が出演しています。

エドマンドという名前の役で、「リア王」での悪役です。

リア王、エドマンド役 玉置玲央 好演

今回の「リア王」上演で、注目が集めているのが、エドマンド役の玉置玲央でしょう。

2024年現在 NHK大河ドラマ「光る君へ」で藤原道兼役で出演中です。

藤原道兼も、父に愛されていないのでは、と悩み、父に認められようと必死になって、汚れ仕事までやる、役どころでした。

エドマンドは、そんな藤原道兼のイメージと重なって見えます。

どちらも父親に愛されない息子でした。

「リア王」の中の、エドマンドの父親 グロスター伯はリア王の忠臣ですが、妻以外に愛人を作り・・などとは、あまり良い人物には見えませんね。

それに、婚外子ができたと言って、愛さないってどうなの?

リア王一家も含めて、状況を複雑にした原因は、エドマンドではなく、エドマンドを生み出した、父 グロスター伯にあるような気がします。

エドマンドが最初に登場し、親に愛されない悲しさを訴えるところでは、客席の同情を引きます。

でも悪事に手を染めていくところを見ると、観客の感情は揺れ動いていききます。

そこがこの芝居の面白さの一つです。

そしてシェイクスピア劇が人気ある点の一つです。

「リア王」のエドマンドとはどういう役?

リア王の家臣 グロスター伯の息子です。

息子と言っても、嫡子(正妻から生まれた正式な後継)ではなく、庶子でした。

嫡子は、エドガーと言いました。ちょっと紛らわしいですね。

リア王では、エドマンドは「不義の子」と呼ばれます。

しかし・・・よばれる方は気分が悪く、ずっと、「不義の子」と言われ続けたエドマンドは、心が荒みます。

まあ、当然でしょう。

父や兄に対し、いつかこの者たちを追い落とし、自分が グロスター伯の権利をはじめ財産すべてを自分のものにすると・・・心に決めたのでした。

まずは父 グロスターが兄 エドガーを憎むよう仕向けます。

罠にかかった父親は、エドガーを追放し、エドマンドをグロスター伯の後継者に決めます。

それだけで満足しなかった、エドマンドは父もついに追い出してしまうのです。

エドマンドの欲望は、これに止まっていませんでした。

王位を狙い、ブリテン島の王位後継者となった、ゴネリルとリーガンに近づき、どちらとも恋人関係を結びます。

最後には、牢屋に囚われたコーディリアの処刑を命令しました。

しかし結局は、自分の行為を後悔し、処刑命令を取り消そうとするのですが、間に合わず・・・

「リア王」エドマンド、悪役が悪役でなくなる日?

エドマンドは極悪非道な悪役に見えます。

しかし、最後の最後で、改心し、兄とも和解し合います。

これで悪役と言えるでしょうか?

エドマンドは、グロスター伯という高い地位にある家に生まれながら、私生児であるため、ふさわしい扱いをされてこなかった。

それがエドマンドの、セリフの中にも出てきます。

世の中はなんで自分に私生児と烙印を押すのだ、自分だって自然と生まれてきた人間ではないか・・・と訴えます。

好きで私生児に生まれてきたわけではないのですから。

コーディリアの命を奪おうとするところで、良心に目覚める、のはギリギリだけど救いが感じられるドラマです。

シェイクスピアの芝居にしては、悪役の扱い方が中途半端に見えます。

「リチャード3世」は悪役が主役で、芝居の最初から最後まで一貫して悪役でした。

「マクベス」もだんだんと、心が闇落ちしていく王でした。

「オセロ」の悪役イアーゴも、一貫して悪役でした。

エドマンドの悪役ぶりを、中途半端と見る研究もありますが、真の悪になりきれなかった、ということろがこの芝居の魅力だと思います。

リア王、上白石萌歌のコーディリア

「リア王」の中で、コーディリアという重要な役にキャスティングされたのが、上白石萌歌さん。

コーディリアはどんな女性か、という質問に以下のように答えています。

つるっとした丸い、真珠みたいな女の子(笑)。誰よりも実直だし、誠実で真っ白なイメージがあります。彼女は幼くて正直すぎるけれど、そこが強さであり誠実さなんだろうなと。勇気のいることをすんなりできてしまう、とても素敵な女の子だと思うので、私もそのように嘘なくいられたらいいなと思っています。 一方でその真っ白な正義感がリアを狂わせてしまう。リアが狂うということは、世界が狂ってしまうということなんです。純白なものが周りを狂わせていってしまうこともあるんだなと考えながら、今台本を読んでいるところです。

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さらに、上白石さんは、「リア王」は忖度のドラマ、だと考えておられます。

確かにそうですね。

リア王に、「お前は私をどう思っているか?」の問いに、二人の姉、ゴネリルとリーガンは、「自分の命より大切」などと、言葉で山ほどの愛情を伝えようとします。

それは、褒め言葉を並べることで、少しでも自分の財産の取り分を有利にしようとするため。

ところが、コーディリアは、そんな上辺だけの言葉に嫌気がさして、「申し上げることは何もございません」(原文では”Nothing”)と言い放つのでした。

コーディリアは、全く忖度ができない性質ですね。

リア王がそれを聞いて、カンカンに起こったのは、リア王が忖度に慣れてしまっていたからです。

コーディリアは、若く、純真で率直なのですが、このセリフひとつで、リア王の世界が全て変わり、物語が始まります。

みずみずしいコーディリア役そのもののような、上白石萌歌さん。

リア王の物語は、コーディリアの成長の物語でもあります。

しかし、コーディリアは、成長半ばで、命を落とします。

だからこそ、シェイクスピアの「リア王」は悲劇として扱われるのです。

「リア王」 ショーンホームズの演出

この芝居でまず目を引くのが、舞台設定です。

16世紀イギリスの芝居だから、衣装も16世紀風なのかな?と思ったら、全くの現代風の服装です。

リア王はストライプの入ったブルー系スーツ。

ゴネリル、リーガン、コーディリアの三姉妹はピンク色のワンピースです。ちょっとエレベータガールを思わせる服装。

ただし、兵士たち、執事のオズワルド、道化師は従来のシェイクスピア劇で見られるような、時代がかったコスチュームです。

この落差に戸惑わされますが、このギャップがあるからこそ、これはシェイクスピアの芝居なんだ、と意識することができます。

「リア王」が上演される時、ほとんどは リア王とコーディリア の父娘関係が主軸となって進められます。

今回の演出では、他の親子関係、グロスター・エドガー・エドマンド、の父子関係も芝居全体に絡んできます。

セットは、王宮風ではなく、オフィスのよう。コピー機、なんとウォーターサーバーも並びます。

ショーン・ホームズが目指すのは、現代に息づくシェイクスピアです。

セットがシンプルであるために、セリフがストレートに観客に入ってくると思われます。

リア王の時代背景は?

「リア王は、イギリスの王」とシェイクスピアは設定しました、つまりイギリスの16世紀後半、シェイクスピアが存在した時期です。

実はこの話、元は古代ブリトン人の伝説の王レイアからとった話です。

レイアと言っても、映画「スターウォーズ」のレイア姫ではありません。

元は古いウェールズ語の、海神スィールからきており、アイルランドで、リル(Lir)となり、だんだんと語形が変化して、リアになっていきました。

リア王ことレイアが載っている書物は「ブリタニア列王伝」と言い、1100年〜1155年頃のジェフリー・オブ・モンマスという歴史家が書いたということです。

「ブリタニア列王伝」によると、レイアという王は紀元前5世紀または紀元前8世紀とも言いますから、伝説のブリテン王(イギリス)アーサーよりも古い時代となります。

この本は、歴史書というよりは物語と言ったほうが良い書物ですが、伝説を知る上では面白い読み物です。

日本で言えば、「古事記」のような位置付けの書物ですね。

レイアがリア王、長女が ゴルノリラ、でシェイクスピアではゴネリル、次女 レガウ が リーガンに、三女 コルデイラ がコーデリア とそれぞれ元の名前を生かした名前になっています。

「リア王」はハッピーエンド

シェイクスピアの「リア王」と同じところは?

リア王には3人の娘がいて、男子には恵まれませんでした。

そこで3人の娘に国を三分割して治めさせるのですが、上の二人の娘は父のご機嫌取りをしたのですが、三女だけは何も言わなかったため、リア王は怒り、三女には何も与えませんでした。

上の二人の娘、だけが国の後継者になり、リア王は二人の娘のもとで交互に世話になることにしました。

しかし、上の娘の家からが追い出され、自分の臣下を減らされ、それではと次女のところに行ってもやはり邪魔者扱いされる始末。

追い出されたリア王は、フランスにいる、もう一人の娘コーディリアの元に行きます。

コーディリアはフランス王と結婚していたのです。

フランス王と結婚するのはシェイクスピアも一緒です。

ここのあたりまでは、シェイクスピアの「リア王」と同じ展開です。

「リア王」ハッピーエンドに

末娘のコーディリアが嫁いだ国は、フランスとは言わずにフランス以前の国、フランク国でした。

コーディリアは、自分を追放したにもかかわらずリア王を暖かく迎え入れ他のです。

コーディリアの夫、フランス王(フランク族の王)も、リア王を迎え、フランスの摂政の地位を与えました。

リア王も、フランス王もコーディリアも、ブリテンに攻め入り、リア王に辛く当たった二人の姉を打ち負かしました。

リア王は再びブリテンの王の座についたという次第です。

リア王の死後は、コーディリアがブリテンの王位につこととなりました。

ということで、原作はコーディリアとリア王が悪者に打ち勝ってメデタシ、メデタシでした。

リア王の遺体は、レスターあたりを流れるソアー側のほとり、「Jewry Wall」にコーディリアが葬ったとのことです。

「Jewry Wall」は現在、世界遺産です。

ハッピーエンドになる「リア王」の芝居もシェイクスピア以降に書かれています。

17世紀にネイハム・テイトという作家が、シェイクスピア劇を改作したのです。

当時は、悲劇に終わる「リア王」がかわいそうということで、ハッピーエンドが書かれたのですが、現代では「悪名高い改作」との評判です。

シェイクスピアには悲劇がたくさんあるのに、他の作品については、かわいそう、とは思われなかったのでしょうか?

リア王のセリフたち

「リア王」には名セリフがたくさんあります。そのいくつかをご紹介しましょう。

「人間は皆、泣きながら生まれてくる、アホばかりの世の中に生まれたことを嘆いて」(4幕6場)

リア王が狂気になって、最初に登場し、グロスターとエドガーに会った時の会話でこのセリフが出てきます。

人は生まれると必ず産声をあげる。

その理由を、皮肉として述べたのですが、哲学的で、意外と真実を突いているかもしれません。

「『今がどん底だ』だといっていられる間は、まだどん底の状態にはいないのだ」(4幕1場)

目をつぶされた グロスター伯に出会った時のエドガー(嫡子)のセリフです。グロスター伯は世話をしてくれる老人に手を引かれて、エドガーがわからないでいます。

このセリフは実に的を得た考え方で、「ひどい、ひどい」と言っていられるうちはまだ、最悪の場合はではない、という意味です。

「風よ吹け!この頬がちぎれるほどに荒れろ!吹け!雨よ降れ!滝のように落ちてこい!」(3幕2場)

リア王と言えば、このセリフでしょう!

コーディリアを追放して、長女と次女の家で交互に世話になると決めたものの、二人からはやっかいがられて、ついに追い出されてしまった時のセリフです。

二人の館を追い出され、荒野をさまようリア王。

そこで付き従う者は、大勢の従者ではなく、道化師ただ一人。

ここで嵐とは、舞台効果も満点な設定です。

リア王は身も心も、嵐で完全に打ちひしがれてしまいます。

この嵐を期に、リア王の心は蝕まれていきます。

リア王の上演情報

2024年3月、東京芸術劇場を皮切りに上演が行われています。

これからの上演は、4月18日〜21日 大阪公演(SkyシアターMBS)

4月25日〜26日 福岡公演(キャナルシティ劇場)

5月2日 長野公演(まつもと市民芸術館主ホール)

上演時間は休憩時間も含めて、2時間57分です。(1幕 1時間31分、休憩 20分、2幕 1時間6分)

リア王(2024年)評判は?

  • 登場人物の感情が入り乱れて、ぐるぐる渦巻いてすごかった。
  • 老人というものは恐ろしい
  • 玉置玲央さんのエドマンドを見て、NHK大河ドラマにも興味が出てきた。
  • 照明が面白い。
  • シェイクスピアのセリフの量がすごい!

といった、舞台を絶賛する声も多かったのですが、その反面

全体的に声の通りが悪かった、なんていうのもありました。

いずれにせよ、シェイクスピア劇は実際に舞台を見るのが一番です。

例えそれがどんな舞台であってもです。

何百年経とうとも、人間の心の奥に流れるものは、負の感情も含めて決して変わることはない、と思い知るのが舞台の醍醐味でしょう。

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