三浦庄司、スパイか?内通者ではない?最後?田沼意次の部下。一橋治済とつながり?「べらぼう」では?

べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺

三浦庄司は、田沼家の公用人です。

田沼家に忠実であるはずの人物ですが、今や、三浦庄司は、スパイである疑いが視聴者からかけられています。

そのうわさはホントかウソか?

ここでは、三浦庄司の、生まれ、田沼意次、一橋治済との関係を見ながら、内通者になる可能性があるかを、考察しました。

三浦庄司はスパイ?

三浦庄司(みうらしょうじ)は、番組の中では、かなり怪しいです。

SNSで、騒がれています、さて真相は?

三浦庄司、なぜスパイ説が出た?

それは、SNSで騒がれたのが始まりです。

そして、三浦庄司 役の原田泰造さんの意味ありげな表情、クローズアップ。それらのテレビ画面から見て、スパイかも、と視聴者たちが思うようになったことから始まりました。

ですが、決して、「べらぼう」内では、今の所スパイ、としては扱われていません。

原田泰造さんの演技の上手さ、意味深な画面がより一層疑惑を深めます。

番組を見る、私たちは探偵になった気分ですね。

状況を見て証拠集を探してみましょう。

三浦庄司、スパイの噂の根拠

  • 田沼意次(たぬまおきつぐ)佐野政言(さのまさこと)から預かった家系図を、「由緒など必要ない!」と言って池に投げ捨ててしまった
  • 佐野家の、名のある桜を田沼家が利用したたこと。利用とは、佐野家にあった桜を田沼家が自分の家の桜、と言って、寺に寄進した。
  • 蝦夷地とロシアが密貿易をしていたらしい、ことを田沼親子が知り、蝦夷地を松前藩から取りあげ、幕府直属の土地にしようと計画をしていた
  • 田沼親子が松前藩の蝦夷地を没収を計画中に、松前藩に間者を潜入させていた。

上記4つのことは、田沼親子以外では、三浦庄司しか知らない話だったからです。

桜の木のことを、知っていたのは、家族以外では三浦庄司だけでした。

「赤蝦夷風説考」(あかえぞふうせつこう)を持ち出して、田沼親子の興味を引き出したのも、三浦庄司でした。

松前藩の様子の情報を田沼家に流していた煙草屋が、火事になり、田沼に情報を流していた、松前藩士が殺される。

情報を探る話も、田沼親子以外では、三浦庄司しか知らないことでした。

佐野政言に田沼親子への疑い植え付けたのは、「丈右衛門」という人物でした、

そして、系図のことを「預かり、無くしてしまった」という、田沼親子、三浦庄司のみが知る事実を語っていました。

この経過を見ると、三浦庄司がスパイである疑いが濃くなってきます。

三浦庄司、「知りすぎていた男」です。

もし、三浦庄司が田沼家に恨みでもあれば、それから他にもっとおいしい誘惑があれば、あるいは?

三浦庄司は、内通者ではなかった!

上記の話題とは、矛盾しますが、三浦庄司は内通者と考えるのはむずかしい、とも見えます。

それは、三浦庄司の、生まれと、田沼意次 失脚後の、行動から感じられます。

実際、「べらぼう」では、もはや「人のいい、物語好きのおじさん」風になってきました。

三浦庄司、内通者でないとわかるのは、田沼意次の失脚から?

田沼意次のブレーンであったために、責任を問われ、遠州相良藩(えんしゅうさがらはん)で、投獄されてしまいます。

まず、ここがポイントです。

もし、三浦庄司が内通者だったとしたら、ここで、三浦庄司は田沼の敵から優遇されていたはずです。

三浦庄司は、田沼親子のもとに仕えていた時には、給金もよく、貯蓄をたくさん貯めていました。

そのため、追放されても生活にさほど困ることはなかったのですが、田沼家の勢いがなくなったところで、田沼家の足軽たちは困って、三浦庄司を頼ってきたのです。

かなり多くの家人が押し寄せてきたので、三浦庄司は面食らって、自分の蓄えを分けあたえて、助けてやりました。

このエピソードは、 肥前国平戸藩主 松浦静山(まつうらせいざん)著の「甲子夜話」(こうしやわ)に書かれています。

ここで三浦庄司はケチって、家人たちを追い返したら、それこそ、「やはり三浦庄司は内通者だった」と噂されたのではないでしょうか。

福山藩に仕えていた、三浦庄司の兄と弟は、田沼意次の事件とともに藩から追放されてしまいました。

そんな事実を見ると、どうも、三浦庄司が内通者だった、という疑いは薄らいでくるのですが。

三浦庄司、内通者でないのは、待遇が良かった?

田沼意次の元で、三浦庄司は、結構な権力を手にしていました。

田沼に謁見の約束のある大名を相手にしてさえ、粗末な応対をしていました。

その例が、肥前国平戸藩主 松浦静山(まつうらせいざん)著の「甲子夜話」(こうしやわ)にあります。

田沼様と会うため、面会の約束をとって会いにきたところ、田沼ではなく、三浦が現れて「田沼様が直々お出ましになると目立ってしまうので、こっそり会っていただきたい」

と言われ、人目のつかない部屋に通された。

自分のような(藩主)身分の者なら、大広間以外は通されないはずだが、それ以外の部屋に通されたのは不満に思う、書かれています。

この時の、平戸藩主の思いは、田沼意次ほど権威のある人物は、その臣下までもがエラそうであると。

こんな、オイシイ思いをした、三浦庄司なら、田沼を裏切って、その敵方につくとは考えにくいです。

三浦庄司が、スパイでなかった場合、誰?

情報は漏れていたのですから、では誰が?

何の証拠もあがっていないのですが、私は、田沼意到(たぬまおきむね)に怪しさを感じました。

その理由は、田沼意知が死に、田沼意次が失脚したのち、田沼家の当主になったからです。

田沼意到は、田沼意次の弟の息子ですが、自分もどこかで、名を挙げてみたい、と思った、のではないかと思えるのです。

強い権力を持ったものが現れると、その一族の誰かは、「自分も〜」と考えたくなることはよくあります。

また、一橋治済との関係を匂わす「べらぼう」のシーンも見逃せません。

あるいは、嫌われ者になった来ていた、田沼意次・意知親子をどうにか抑えたい、なんて気持ちもあったのでは、という考えも頭によぎります。

田沼意到の心の動きを知る史料は、見当たらないので、これは自分の推理でしかありません。

三浦庄司の最後?

三浦庄司は、追放された後、どうなったか?いつ死んだのか?それについての記録はありません。

肥前国平戸藩主 松浦静山 著の「甲子夜話」には、追放後、老婆に匿われていました。

その地で、田沼家の元足軽たちが、保護を求めてやってきたところに、金を分け与えてやった、という話までしかありません。

いくら、権力を持った人でも、落ちぶれてしまったら、それも罪人扱いになってしまったら、誰も注目してくれる人すらいない、という証拠なのでしょうか?

元は農民だったということも、軽く扱われて原因かも知れません。

三浦庄司と田沼意次との関わり合いは?

三浦庄司は、田沼意次の相談役でありました。

どうして相談役の地位につけるようになったかは、三浦庄司の生い立ちに、触れる必要があります。

三浦庄司はもともと農民出身でしたが、どうやって上り詰めて行ったのでしょう?

三浦庄司は農民から、大抜擢?

最初は田沼意次の話し相手として雇われたのでしたが、生まれは農民です。江戸生まれの農民という説もあります。

福山藩(現在の広島県)出身で、田沼家の用人(庶務職)だった三浦五三右衛門(みうらござえもん)の養子になりました。

養子になった、三浦庄司も田沼家の家人となったのでした。

農民から、武士への出世ですが、田沼意次は出身にこだわらず、有能な人物を見抜く力があった、ということを表すようなエピソードです。

三浦庄司、調子に乗った?

確かに三浦庄司は、有能で、田沼意次の経済政策の原案を立てるなど、活躍しました。

しかしそのために、一般庶民から御用金を集めて、それを大名に貸付けるということをやってのけました。

三浦庄司の場合、御用金をさらに貸していたのだから、また貸し(?)したことになり、三浦庄司とその主人、田沼意次の評判は最悪なものとなりました。

これは三浦庄司、自らの判断でやってものですから、主人の評判に泥を塗る結果になりました。

これが、のちに田沼意次失脚の要因の一つと言われています。

こうなると、三浦庄司と田沼意次の運命は一蓮托生といえましょう。

御用金とは、幕府や藩が、財政上の困難に陥った場合、不足金を町民や農民から強制的に借り上げる金銭です。

「借り上げる」というのだから(強制的でも)、返さなければならないはずなのですが、実際、お上が返すことはほとんどありません。

悪質な、国債?みたい、という感じでしょうか。

三浦庄司と一橋治済、関係はあった?

三浦庄司と一橋治済との関係を、実際に証明する史料は見当たりません。

「べらぼう」のなかでも2人の関係を示すシーンはあんまりありません。

一橋治済から田沼意次がもらったムックリ(アイヌの楽器、を三浦庄司が使っている、くらいでした。

もしかしたら、そこに伏線があるかも知れません。

もし、三浦庄司が一橋治済のスパイだったとすれば、ムックリは重要なアイテムになります。

そうでなかった場合のムックリは、単にアイヌの文化・芸術を伝える一つの道具で終わります。

その場合、アイヌ文化の貴重さを伝える大切な一場面になりますが、三浦庄司の動きを視聴者に伝える手段にはならないようですね。

三浦庄司、「べらぼう」では?

「べらぼう」では三浦庄司役に、原田泰造さんがキャスティングされています。

アイヌのムックリを使うところなど、ちょっとコミカルに見えるシーンもあります。

原田泰造さんは、お笑いの世界で有名ですが、NHK大河ドラマの出演も多々あり、演技力にも定評があります。

「べらぼう」では、今 三浦庄司がスパイとして怪しく見えています。

展開はどのようになるでしょう?

視聴者皆さんの予想は当たるでしょうか?

まとめ

原田泰造さんがキャスティングの、三浦庄司が、一橋治済のスパイだったか、がこの記事のテーマですが、番組でははっきりと明かされておりません。

三浦庄司が、田沼意次に登用されてきたことを思えば、頭の良い人物だったと思われます。

ただ、頭の良さ、田沼意次に大切にされていたことを考えると、頭の良い、からさらに権力を乱用なんていう、野心があったようです。

「野心」というものがどう影響するかによって、三浦庄司は、スパイだったか、そうでなかったかの、明暗を分けることとなるでしょう。

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