蔦屋重三郎と瀬川との恋の行方は、視聴者達の関心の的ですが、蔦重が結婚できるかも、気になっているところです。
この記事では
- 蔦重と、瀬川の間、「べらぼう」でどうなる?
- 蔦重は妻を持つ
- 蔦重夫婦の子供はどうなった?
- 耕書堂は誰が継ぐ
の四点を中心に、残された史料から調べて解説します。
どうぞ、最後までお読みください。
蔦屋重三郎は妻を持った?
蔦谷重三郎(つたやじゅうざぶろう)は結婚します。1793年のことです。
妻がいた、ということはは「絵本吾妻袂」から見ることができます。
もう一つ妻の存在を表しているのは、蔦重の死のときに、妻に別れの言葉を残したこと。
それから妻自身の死が、正法寺という寺の過去帳に記されているところです。
しかし、どんな妻かは、史実では名前が知られていません。
名前どころか、生まれ、家族構成もきちんと書かれた記録がないのです。
江戸時代は、武家であれば、なんとか記録されていましたが、庶民の場合はお寺の「宗門人別帳」が手掛かりになります。
が、それも今日まで、完全な形で残っていればの話です。ほとんど残っていないのが現状です。
蔦重のような重要人物でも、町民であったため、そんな詳しい記録は残っていません。
蔦重の妻は瀬川じゃなかったの?
瀬川(せがわ)こと花の井が、夫、鳥山検校(とりやまけんぎょう)とともに役人に逮捕され、鳥山検校と別れますが、その後、蔦重の元に戻るのか?
という期待があります。
史実では、蔦重と瀬川が一緒になったという話は書かれていません。
瀬川については、お武家様と結婚したとか、職人と結婚したとか、物語ばかりが残っていて、本当のところはどうだった?と突っ込みたいのですが、事実が発見できません。
「べらぼう」の中では、ほんの少しの間だけは一緒にいて、妻になったと言ってもいいでしょうね。
蔦重と瀬川の恋が実ればいいな、と視聴者は期待していたので、NHKからのファンサービスでもあるかと思います。
その後、瀬川は姿を消す、というあらすじになっています。
ちょっとロマンを感じられるストーリーに仕上がっていますね。
蔦重の妻の名前は?
蔦重は確かに妻をもらったのですが、その妻の名前が、史実として明らかではありません。
「べらぼう」では、「てい」という名前になっています。
これは、「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺」でのオリジナル設定です。
一般的に考えられていた、蔦重の妻の名前は「トヨ」、しかし、こちらについても、はっきりした資料がない、というのが現実です。
映画「HOKUSAI」や、増田晶文 作の小説「稀代の本屋 蔦屋重三郎」では妻の名前は「トヨ」です。
そして、トヨは本屋の娘、この辺りまでが一般的として知られていることです。
妻の名前が、はっきりわかっていない、ということを押さえた上で、「べらぼう」では脚本家さんが、「てい」という名前をつけました。
「てい」が本屋の娘、という設定は、「トヨ」の設定を引き継いでいます。
蔦重と妻の出会いはどこで?
蔦重が結婚する相手、「てい」一体どこで出会い、どんなところに惹かれたのでしょうか?
現時点では(2025年3月末)では、出会い、がどこであるかわかりません。
見合いなのか、偶然の出会いなのか。
「べらぼう」では、これまでの定説通り、「本屋の娘」と設定がされています。
本の出版を仕事にしようとする人物なら、相手も「本」がわかっている人の方がいい、ということです。
設定場面を考えるとするなら、見合い、というより偶然の出会いの方が可能性が高そうです。
蔦重の妻、どんな人?
どんな人であるか、と言っても、蔦重の妻「てい」または「トヨ』のことは、ほんの少ししか、史料に出てきていませんので、番組の設定と合わせて調べてみました。
蔦重の妻を描いた絵?
①蔦重の妻らしい人が、北尾重政(きたおしげまさ)が描いた絵「絵本吾妻袂」にあります。
その場面は、恵比寿に祈願している蔦重一家を描いています(1786年)。
祈りで頭を下げる蔦重の横で、嫁らしき人が、手を合わせています。
この嫁が、おそらく「てい」あるいは「トヨ」ですね。
ここからは、夫のために一緒に祈願する、しっかり者の嫁に見えます。
②もう一つは、1785年の「艶本枕詞」です。
こちらには蔦重と女性との床でのやり取りを描いた本です。
男性が蔦重とわかるのは、枕元に手紙があり「からまる様 赤良」と文字が見えます。
「からまる」とは蔦重の幼名です。(以前出てきた「からまる」少年ではない)
女性の方は、蔦重らしき男性に、吉原かどこかに行ってきたことをちょっと責めるような言い方をしています。
その女性が誰か、というのが謎でして、
吉原に行ったことを責めているのだから、これは妻なのではないか、という推測がされています。
どうやら、蔦重と妻とのやりとりを、長命館の主人にみられてしまっていたのですね。
これを妻と見ると、ちょっと、やきもち焼きの妻なのかな?と感じられます。
また、これは蔦重の浮気をちょっと咎める遊女と見る解釈もあるので、判断が難しいところです。
蔦重の妻、「てい」番組のキャラクター設定は?
「控えめで実直な性格の持ち主。蔦重は派手で自由奔放な性格なので、ていとは逆です。
ですが、ていの誠実さや真面目さは、蔦重にとって新鮮に思える」ということが、NHKの設定です。
ていの設定は、もう一つ、本屋の娘である、ということです。
そのため、てい には本を愛する心があり、そこが蔦重との共通点となり、蔦重と てい との絆が深まっていくと想像されます。
蔦重と てい との共通のキーワードは、「本」なのですね。
夫婦がうまく行くコツは、共通の趣味、というか大切にするものがある、ということでしょうか?
「べらぼう」にみられる 蔦重の妻「てい」 の魅力とは?
普段は控えめなので、ちょっと損をしているところもあるようです。
なにしろ、蔦重の方は、自分の感情をすぐに表情に、口に出す人ですから。
しかし、てい は 、芯に強いものを持っていて、それが蔦重の支えになります。
どこが芯が強い、というのかといえば、蔦重と夫婦でいて、ひどい夫婦喧嘩をした形跡がないし、てい、本人もおとなしい思える性格。
そして、エネルギーがほとばしるような蔦重と、長く添い遂げられる資質があるのだから、やはり芯が強い女性といえますね。
蔦重が困難に出会って、その後は、てい によって支えられているのでしょうね。
一般的に蔦重の妻として知られている「てい」についても、妻は夫の仕事をよく理解していた、ということになっています。
脚本の森下圭子さんは、ていは自由に豊かに、ということを頭に置いていることを言っておられましたので、蔦重に従うだけの妻ではなく、
蔦重の人生そのものを豊かにする存在となるでしょう。
てい はドラマのオリジナルキャラですが、てい という女性を通して、蔦重の人間味が描かれることになるでしょう。
蔦重と「てい」の間に子供は?
「耕書堂」が続いていることなどから、娘がいたようだ、ということしかわかっていません。
とにかく個人としての、蔦重の記録は、子供のことも含めて何も残っていないのです。
蔦重自身が、養子の身の上なので、実際に子供が生まれたなくても、養子を取ればいい、と思っていた、と考えられます。
蔦重の店、「耕書堂」はは娘婿が継いだと、いうことが一般的に言われていることです。
誰が娘婿になったかは、下の項目をお読みください。
蔦重の「耕書堂」は誰の手に?
耕書堂を継いだのは、耕書堂の番頭だった、勇助といった人物です。
勇介が、蔦重の娘と結婚した、娘婿となって、耕書堂を継いだ、というのが通説です。
やがて勇介は、耕書堂という店だけでなく、名前もついだのです、「二代目蔦屋重三郎」という名で。
二代目は、葛飾北斎の売り込みに力を入れていましたが、「潮来絶句集」を出したときに、時の権力者から、本の装丁が派手すぎる、ということで処罰されました。
幕府が、質素倹約に勤めていたとばっちりを食らった、のですね。
とにかく蔦重の名前そのものが、幕府の気に障る、という感じでしょうか。
二代目の次は、勇介(二代目蔦屋重三郎)の息子 祐介 が三代目となりました。
ここまでは、まだ蔦重の血縁で繋がっていますね。
四代目は「二世三亭春馬」(にせいさんていしゅんば)、そして五代目は喜多川竹吉 が継いでいったことが記録に残されています。
四代目から血のつながりがなくなりましたね。
ですが、耕書堂の主人は皆「蔦屋重三郎」を名乗りました。
耕書堂は、明治初期までは続いていましたが、今では跡地が、日本橋大伝馬町に残されているだけです。
蔦重の妻「てい」役は橋本愛
「べらぼう」で、てい の役は、橋本愛さんにキャスティングされました。
NHKのHPでは、「てい」の役柄を以下のように書いています。
とある市中の本屋の娘。謹厳実直で控えめな女性だが、それが故に損ばかりをしてきた過去をもつ。 ある種世慣れた女郎たちが集まる吉原で育った蔦重(横浜流星)にとっては非常に慣れないタイプの女性であり、ていにとっても蔦重はその出自も含めて受け入れがたい存在であった。 しかし「本を愛する」という一点については共通しており、それが二人の絆となり、いつしかかけがえのない存在となっていく。
確かに、蔦重は、華やかな吉原の女郎達を幼いころから数多く見てきました。
それに対し、「てい」は一般人(?)です。
その違いを、蔦重は物足りなく見るか、あるいは新鮮に見るか、によって二人の夫婦関係に影響してくるのではないでしょうか。
橋本愛さんは、蔦重やくの横浜流星さんとは初共演、ということなので、番組にまた一つ新鮮な風が吹き抜けることでしょう。
まとめ
ほとんど知られていない、蔦重の妻をここでは調べてみました。
もしかしたら、史料に載っていることが少ないのだから、控えめな妻、と思われている可能性も考えてみました。
知られていないだけに、色々な可能性を持っている女性ですね。
「べらぼう」からも新しい魅力が発信されるかもしれません。
夫の蔦屋重三郎とも、どんな心の交流を持ち合うようになるのか、これも楽しみです。
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