「べらぼう」高岳、実在。大奥のNo. 1。田沼意次、松平定信との関係。その後は?どんな人?冨永愛が!蔦重と絡みは?

2025年NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺」には大奥の上﨟(身分の高い女中)、高岳が登場します。

高岳は、実在の人物、で大奥上中のナンバーワンまで上り詰める女中です。

田沼意次とはお互い利用し合う関係で、大奥だけでなく、幕府にも影響力を持つ人物です。

高岳にキャスティングされているのは 冨永愛さんで、またかっこいいと評判を集めています。

高岳、どんな女性だったか、調べてみました。

「べらぼう」高岳、実在?

高岳という女性が、大奥に存在した、ということはすでに「大奥」のところで書いたのですが、

史実としてはどうだったでしょう?

「高岳」(たかおか)という上﨟お年寄り(じょうろうおとしより)という役職につき、やがて大奥筆頭お年寄りになる、大奥の女中です。

筆頭お年寄りというのは、大奥女中として一番高い地位にいます。

生年月日、没年、共に知られていません。

徳川将軍、第10代目 家治(いえはる)、だい11代目将軍 家斉(いえなり)の頃まで大奥で奉公していた、というので、1760年代から1780年代中頃まで、のようです。

高岳の存在は、幕府の資料など、また、のちに賄賂を送った、伊達家の記録などに記されています。

「べらぼう」高岳、大奥のナンバーワン?

高岳は、最初は大奥ナンバーツーの地位にあり、その時のナンバーワンは 松島というお年寄り。

最初は、高岳は、松島の下につくことで、自分の権力を身につけていきました。

やがて、松島から離れるときがやってきます。

高岳、賄賂をもらった?

仙台藩が、自分の藩主の出世を願って、幕府の要人 田沼意次と松平武元に贈り物をします。

そして、大奥の高岳にも贈り物をしました。つまり賄賂なのですが。

ここで見逃せないのは、仙台藩(伊達家)は、高岳のことを使える相手、つまり、自分の要望に応えられる地位にある人、とみたところです。

この時代、自分を推してくれる人に贈り物をすることは、大奥の役職にあるものにとっては、普通の慣例として捉えられていました。

当時では賄賂、という考えではありませんでしたが、後世の私たちから見るとやっぱり賄賂です。

伊達藩は望みが叶ったとおりには、高岳に、屋敷までプレゼントしてあげるほどでした。

「べらぼう」高岳がナンバーワンになる

1774年、高岳はついに大奥のナンバーワンになります。

その理由は、これまでナンバーワンだった、「松島」が引退したからです。

と同時に、高岳は、田沼意次と協調関係があったことも理由です。

松島の引退は、将軍 家治の側室とその子供の存在が関係していることが一般的な推測です。

側室の名前は、お知保(おちほ)、将軍との間に後継者を生みました。

お知保は、もともと松島の部下だったのですが、家治の側室となり、後継者の母となったものの、松島の言いなりになっていることに嫌気がさしていました。

いちいち、松島に伺いをたてながら、行動するのが嫌だったのです。

松島から離れるために利用したのが、田沼意次と高岳でした。

田沼意次も元は松島と協力する関係でしたが、高岳の方が利用しがいがある、と思っていました。

以前の伊達藩からの、贈り物が高岳のところに届けられているのをみてそう思ったのでしょう。

家治の正室が1771年に亡くなり、いよいよ、お知保はいよいよ、後継者の母としての尊敬と権力を持ち始めます。

高岳の出世の影で松島は?

松島が引退した本当の理由は、わかりません。

松島の記録が途切れてしまっているのです。

その3年後、1773年に高岳が、大奥筆頭お年寄り、となるのですが、その間に 松島はひっそりと姿を消します。

どうして、松島が消えたのか、理由は全く知られていません。

年齢による引退、というのが一番考えられるのですが、高岳とお知保の陰謀の可能性もあるかもしれません。

そこのあたりがすっきりと知られていないので、「大奥」などの番組で、陰謀として描かれることが多いのでしょう。

「べらぼう」高岳、田沼意次とは協力関係に?

幕府の要人(老中たち)と、大奥はお互いつながりを持とうとします。

どちらも、出世のためですが、特に要人は、大奥で育てられた子供が次期将軍になる、

将軍が大奥で過ごす時間に、将軍に自分たちの悪口を耳にしないよう気をつけていました。

大奥の女性たちを敵に回すと、将軍に悪口を吹き込まれる恐れがありました。

実際、田沼意次は自分が有利な立場に立つために、大奥の女性たちに贈り物をしたことも事実です。

大奥女中 高岳と老中の田沼意次が協力関係にあった、と書かれている資料はありませんが、そのほかの出来事から、二人の関係性が考えられてきます。

大奥女中 高岳と田沼意次は、どちらも権力への欲望があるので、お互いを利用し合える関係と思ったのかもしれません。

高岳が、1774年に大奥筆頭になったのち、幕府が大奥とその関係者に支給する金額が、3人分、他の大奥の要職にある人達と比べて、多くなっている記録があります。

それが田沼意次、お知保、そして 高岳でした。

その時、幕府が大奥に支給する金額を好きに決められる立場にいたのが、田沼意次でした。

「べらぼう」高岳と松平定信は、敵同士?

田沼意次が、幕府の要職を解かれると、次の老中の候補として松平定信が上がってきます。

そこで、大きく反対したのが、高岳でした。

つまり、ここで高岳と松平定信は敵同士という関係になるわけです。

反対の理由を述べてみましょう。

高岳、松平定信の老中入り反対 理由その1

ここで反対したことで、高岳は上﨟お年寄りの役を辞任しました。

松平定信に恨まれたことが、表面に現れる出来事ですね。

松平定信の老中就任に反対したから、嫌われたのは当然ですが、高岳はなぜ松平定信に反対する側に立ったのでしょう?

第1に、高岳は、「老中は譜代大名の中から選ぶ」という、幕府の慣例を重んじた、と言われています。

譜代大名とは、徳川家に古くから仕える家臣の家系です。

松平定信は、白河藩 松平貞邦(さだくに)の息子ではありますが、実の父親は、徳川宗武(むねたけ)といい、8代将軍吉宗(よしむね)の三男です。

定信の妹、種姫(たねひめ)は徳川家治の養女になっていた、

という以上の理由から、将軍家と近い血筋にある、ということが反対理由です。

高岳がそれほど、根拠を出して反対したにも関わらず、将軍 家斉は松平定信を、老中のそれも一番くらいが上と言われる、首座の地位に任命しました。

松平定信は、自分が老中になることを反対した人物が、高岳だ、としれば、当然 高岳を恨む気持ちになるでしょう。

松平定信を老中にと思ったのは、将軍 徳川家斉(いえなり)です。

高岳、松平反対の理由、その2

高岳が反対した理由そのには、大奥の性質にあった、と私はみています。

大奥という場所は、お金のかかる場所。

徳川吉宗の時代から、大奥については経費節減が考えられていました。

大奥には、将軍の正室とその他の妻たち、そしてその侍女たちの住まうところですが、女性たちには、豪華な衣類、装飾品(かんざしなど)で経費がかかります。

徳川吉宗もかつてそうしたように、松平定信も、経費削減を大奥に求めるつもりでいました。

大奥の女性たちにとっては、たまりません。

ただでさえ、勝手に大奥から出てはいけない、とか、男性との付き合いは御法度などと、女性たちには窮屈なことばかり。

楽しみはといえば、着物や装飾品、化粧で着飾ること。

それも制限されるとなれば、大奥の女性たちは全員、大反対をするのは当然のことだと思います。

「べらぼう」高岳のその後は?

筆頭老女を引退した後の人生、どうなったか残念ながら、記録にはありません。

おそらく、時代は変わり、高岳はこれ以上大奥に止まっていても、仕方ない、それに年もとってきたし、と思っての退職だったのでしょう。

高岳には、家族・身内がいた、という話も聞かれません。

おそらく、孤独な余生だった、ということが予想されます。

しかし、いずれの退職を予想して、金銭は貯めていたと思われます。

なにしろ、現役時代、贈り物などをたくさん受け取っていたようですから。

高岳が伊達藩の昇進に口添えしたことで、謝礼として建ててもらった、桜田御用領地内の屋敷に住んだのかもしれません。

桜田御用屋敷とは、仙台藩の屋敷のことです。

高岳が、賄賂を受け取った、というのは自分の余生を考えてのことだったので、ないでしょうか?

「べらぼう」高岳、どんな人?

大奥の内部はもとより、幕府に対しても強い影響力を持つ人物でした。

幕府への頼み事を望む人から、謝礼としての金品を受け取りましたが、それは上昇欲の現れだったのでしょうか?

高岳の、生涯についての詳しい記録は残っていません。

しかし、高岳が大奥で過ごした生活の中から見えたことは、大奥は、女性たちが単に生活をするだけの場所ではなく、男性と同じように、政治に関わっていく場所でもあった、ということです。

高岳が、賄賂を贈られるほどの人物である、ということは政治に関わることができる大きな力を持っていた、ことを意味しています。

ということは、江戸時代の女性は、妻、として仕える存在ではなく、自らが権力を持つことができたのだ、という感想を私は持ちました。

高岳 は決して、女性の地位向上のために働いていたわけではないと、思うのですが、結果、女性たちの意識に、訴えかけたような存在に見えます。

賄賂だって、もらえるうちに貰っておかないと、将来の蓄えが無くなった時に金銭的に困ることになります。

徳川吉宗や、松平定信のように、大奥の経費削減のために、暇を出されてしまう女性たちだっているのですから。

彼女たちは、大奥を出たとたん、生活の糧を失ってしまう者だっているはずですから。

高岳、という存在は、女性たちに自立するには何が必要か、を考えさせるモデルになったような気がします。

「べらぼう」高岳 役に 冨永愛!

「べらぼう」では高岳役に、冨永愛が起用されました。

2年ほど前、よしながふみ原作「大奥」のドラマ版で、徳川吉宗役で出ていたのは記憶に新しいですね。

「大奥」の徳川吉宗は、質素倹約をモットーとした禁欲的な将軍で、衣装も木綿を使った地味なもの。

それに対し、「べらぼう」の高岳は、衣装が華やかです。

それにしても、どちらも冨永愛さんはかっこいい!

吉宗は、男性だった人物の女性版ということだから、凛とした中性的な美しさがありました。

「べらぼう」の高岳の場合も、クールビューティーな役どころです。

悪の魅力と言っていい役ですが、視聴者の目は、冨永愛さんに釘付けになること、請け合いです。

民放の「大奥」の高岳のような、眉なし、でなかったことに安心しました!

「べらぼう」で、高岳と蔦重、関係がある?

直接的に、出会うことはないと思います。

かたや町人、かたや、大奥のお女中、接点はあまり多くありません。

しかし、蔦重の出版する本が、大奥で人気になる、という可能性は感じられます。

ひょっとしたら、蔦重は直接、大奥に本を届けるために、入れる許可が出るかもしれません。

大奥は男子禁制ですが、呉服屋、小間物屋は入ることができます。

と言っても外に近い部屋に限られて、奥までは入れないのですが。

そんな、ところで、蔦重は高岳に出会うかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました