マリー・アントワネット関連の映画「マリー・アントワネットの生涯」、マリー・アントワネットの首飾り」、「マリー・アントワネット」、「マリー・アントワネットに別れを告げて」の紹介

フランス革命に散った悲劇の王妃マリー・アントワネット・・その悲劇の生涯は数々のドラマとなりました。華やかな世界とマリー・アントワネットの映画を4作品紹介しましょう。

「マリー・アントワネットの生涯」

「マリー・アントワネットの首飾り」

「マリー・アントワネット」

「マリー・アントワネットに別れを告げて」

の4本を見てみましょう。

「マリー・アントワネットの生涯」1938年 アメリカ

監督:W.S.ヴァンダイク2世

マリー・アントワネット:ノーマ・シアラー

マリー・アントワネットの作品では一番古い映画です。内容は作家シュテファン・ツヴァイクの生涯を描いた伝記小説に基づいて作られています。

映画を見て漫画「ベルばらの世界が蘇る」といった話が見られましたが、「ベルサイユのばら」の作者さんがツヴァイクの小説を参考に書いた、と当時インタビューで答えられていた記憶がありますので、それもありでしょう。

恋愛と、その後の悲劇とのシーンの対比がいいところです。

 

「マリー・アントワネットの首飾り」2002年  アメリカ・フランス日本製作

監督:チャールズ・シャイア

ジャンヌ:ヒラリー・スワンク、 アントワネット:アニタ・ヴァンゲル

「マリー・アントワネット」がタイトルに入っていますが、主役はジャンヌ・ド・ラモットという女性です。アントワネットがフランス王妃時代の最大ともいわれるスキャンダル事件を描いた映画です。首飾り事件をきっかけに、マリーの贅沢が露わになり、やがてフランス革命へと繋がっていく、重要な事件です。

末裔とはいえフランス王家の血を引く娘、ジャンヌ。自分の家系の再興を願い資金繰りを画策します。そこでアントワネットが欲しがっているダイヤの首飾りを、アントワネットの側近になりたがっている司教を騙して買わた後ダイヤを売りさばいて逃げる。でも悪事はバレて、ジャンヌは逮捕され、有罪となります。ジャンヌが夢が叶えられずに自分の古い邸宅でポツンと孤独に佇むシーンがより一層の哀愁を誘います。

「マリー・アントワネットの首飾り」中ではアントワネットはむしろ自己中心的なわがまま王妃として描かれて、ジャンヌの悲哀を際立たせています。

 

「マリー・アントワネット 」 2006年   アメリカ・フランス合作

マリー・アントワネット:キルスティン・ダンスト

監督ソフィア・コッポラ(父は映画監督、フランシス・コッポラ)

これが時代物?と思わせるようなポップなつくりの映画でした。音楽のせいかもしれません。登場する贅沢なお菓子が非常に現代的に見えました。とても美味しそう・・・アントワネットの愛犬もパグのような、18世紀にこんな犬種いたかしら?と思ってました。

マリー・アントワネットがフランスに輿入れしたマリーの心情がよく現れている映画です。毎日繰り返される同じ儀式、それらにうんざりしたマリー。「無意味でしょ」と反抗する気持ちから贅沢な享楽に身を委ねるようになります。マリーの自己中心ぶり目につきますが、それでも可愛い。

その結果が、山のように出されるお菓子、目も眩むようなファッション、新たな自分だけの小さな宮殿(プチ・トリアノン)、に結びつきます。

しかし自分を主張し続けるとどうなるか、自己中心・・・そして悲劇に一直線。ですが「マリー・アントワット」では最後の生涯を終える悲劇は描かれず、ヴェルサイユ宮殿襲撃後、民衆に捕らえられ宮殿を後にするところで終わりました。

この映画にも原作があります。レディー・アントニア・フレイザーの「マリー・アントワネット」です。

映画「マリー・アントワネット」は映画内でのアントワネットの性格が実際とはかけ離れていると見られ、あまり好評価が得られていません。

 

「王妃マリー・アントワネット」 2007年 カナダ・フランス合作

主演:カリーヌ・ヴァナッス

「王妃マリー・アントワネット」では歴史に沿って作られたテレビ映画です。歴史上の背景もしっかりと網羅されて、アントワネットが生涯にわたり描かれた映画です。

歴史物として貴重な映画ですので、他の映画と合わせてみると、その他の映画に対しても造形が深くなるので、いいかもしれませんね。

 

「マリー・アントワネットに別れを告げて」2012年、フランス・スペイン合作

監督:ブノワ・ジャコ

シドニー・ラボルト(朗読係):レア・セドゥ 、マリー・アントワネット:ダイアン・クルーガー

フランス語の映画です。

主人公は王妃マリー・アントワネットの朗読係シドニー・ラボルトという身分は高くない娘です。王妃には、衣装係や化粧係以外にも本を読み聞かせる係もいたのですね。一人の貴人が多くの使用人を使う贅沢ぶりが伺えますが、その制度が雇用を生み出していたのも事実です。

朗読係は王妃様をとても敬愛していました。アントワネットが喜ぶためならどんなことでもしようという心意気が、健気です。

時代背景はフランス革命がまさに起こらんとする、バスティーユ襲撃前後。使用人たちの間にも不穏な空気が漂います。

しかし、アントワットの関心は、側近ポリニャック夫人に向いています。マリー・アントワネットは、夫人に対して側近を乗り越えた愛情を抱いています。朗読係のシドニーも片思いにも似た感情にを王妃に抱いています。

やがて王族たちは庶民が貴族をギロチンにかける計画があり、そのリストにポリニャック夫人の名前があると知りました。

アントワネットは何としてもポリニャック夫人を逃がしたい。手段として、アントワネットは一人の女性をポリニャック夫人の影武者(?)に仕立てて、同時にベルサイユの外に出すことにします。その身代わりを朗読係のシドニーに頼みました。

シドニーの侍女仲間は計画が明らかにされる前から悪い予感を感じて、シドニーにアントワネットから何を言われても断るようにとアドバイスするのですが・・・結果・・・アントワネットを慕うシドニーは申し出を受けてポリニャック夫人の身代わりとなるのです。他に類を見ない自己中心ぶりではありますが・・そこにシドニーは自分の生涯をかけます。

そしてシドニーは永遠に、宮殿から去ります。

二人のポリニャックは、民衆に捕らえられることなく逃亡できました。死ななかったシドニーに安堵です。画面全体が当時の照明を思わせる光量で、それが主人公の心情を表現するようで、とても美しい映画です。

 

マリー・アントワネットと彼女を取り巻く人物が登場する5作の映画を紹介しました。いかがでしたか?どの映画もヴェルサイユ宮殿などを映し出し、映像も美しい映画ですのでぜひご堪能ください。

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