2025年 NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華之夢噺〜」に、五代目瀬川(花の井)という花魁が登場します。
五代目瀬川は実在の人物で伝説の花魁、です。
花魁という遊女として最高の地位に上りつめ、お金持ちに身請けされ、幸せになるはずが…
幸せな、最後の話は聞こえてきません。
「べらぼう」の中では、最初は 花の井という名前で登場し、主人公の蔦屋十三郎の幼馴染です。
五代目瀬川 になった 花の井 をここで調べてみました。
五代目瀬川とは花魁の名前?
五代目瀬川(ごだいめせがわ)、ってなんだ、と思いますね。
花魁の名前です。
五代目瀬川、受け継がれる名花魁!
花魁の名前は、本名ではなく、遊女として働いている時につけられた名前です。
遊女が、一大スターにる、その芸名みたいなものです。
五代目、というからには、歌舞伎役者のように、名前が受け継がれていくものだったのですね。
瀬川、という花魁は、享保から天命まで、9人いました。
特に有名だったのが、二代目、四代目、五代目であり、特に有名だったのは四代目で、名妓(優れた遊女)、と言われています。
「べらぼう」の登場人物 花の井 は五代目です。
「べらぼう」では、五代目瀬川に、の名前を与えられるのが、登場人物「花の井」です。
五代目瀬川に、なぜなれたのか?
「瀬川」という名称は、伝説の遊女だった、ということです。
遊女が有名になるには、美貌だけではありません。
誰よりも美貌の点で優れていることは必要ですが、それ以外に、三味線、また、浄瑠璃の伴奏ができるほどの腕の持ちぬみ、笛や太鼓、踊りが並外れて上手くないといけません。
歌って踊れるタレントですね。
芸事もよくでき、知識もどんどんと覚えていった、花の井でした。
知識も身につけなければならない、というところは、タレントというより、ミスコンの方に近いかな、とも思えます。
名妓になるのは、本人の資質だけでは、まだ足りません。
花の井の雇い主、松葉屋の売り込みの手腕が物を言います。
そして、なんといっても「べらぼう」で蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)が幼馴染、というのだから、蔦重のプロデュース力が働いたと思います。
五代目瀬川(花の井)はどんな人?
五代目瀬川は、「べらぼう」の物語では、花の井といい、主人公、蔦屋重三郎の幼馴染です。
幼馴染といっても、生まれた時から一緒に過ごしたわけではなく、花の井 が幼い頃に、吉原に生まれてきた時からの、付き合いです。
「べらぼう」の時代の頃、日本では飢饉が続いていたため、税を納められず、食べられず、家財道具や娘を売る農民が、増えていました。
花の井 もそんな子供の一人です。
妓楼屋では、将来性、器量のいい子を欲しがり、松葉屋(まつばや)という老舗に買われました。
もちろん、自分の店をますます華やかなものにして、稼ぐためです。
花の井 は美少女だったのでしょうね。
やがて少女は、大きくなり、吉原を代表する遊女に、そして花魁になりました。
花の井 は自分の持つ才能を開花させることができ、松葉屋は、自分の店を代表する評判の遊女を手に入れることができて、ある意味ウィンウィンの関係なのかな、と思えます。
幼い頃、親に売られた娘は自分の本当の故郷がどこか知らず、吉原が故郷のようなものでした。
そんな花の井 は、ふるさとである吉原を、良い場所にしたい、と思っていたのでしょうか。
その思いがあって、「べらぼう」の主人公、蔦屋重三郎と支え合うような人生を送るのですね。
五代目瀬川の生涯は?
五代目瀬川になる花の井は、幼い頃に、遊郭に売られます。
江戸時代、いや明治時代どころか昭和初期まで、庶民は生活が苦しくなると、娘を遊郭に売っていました。
五代目瀬川(花の井)の生涯は、その前半は遊女としてのものでした。
五代目瀬川がいた松葉屋、どんなところ?
「松葉屋」は代々の名遊女「瀬川」を生み出してきた妓楼でした。
この妓楼は、かなり大きく、遊女、その見習いを含め、約50名ほどを抱える大所帯。
松葉屋の主人 松葉屋半左衛門(まつばやはんざえもん)は、かなりのやり手なんです。
さらに、吉原での、決め事にも関わる、街の名人、敏腕経営者ですね。
五代目瀬川になる、花の井は、遊女屋「松葉屋」に入るのですが、これは当時の言い方によると奉公と言います。
松葉屋で、芸者として仕込まれました。
それこそ、踊り、三味線、お行儀作法など。
花の井(のちの五代目瀬川)は、松葉屋では、優遇されていました。
五代目瀬川としてデビューさせてくれた松葉屋
「遊郭」に売られた娘、というと悲惨なイメージですが、一味違うのが、「べらぼう」風だと思います。
妓楼屋に売られる、というくらいだから、器量は良かったはずです。
向上心のある子供だったのでしょう。どんなに教えても、練習しても上手くできない人もいると思いますが、花の井は、上達しました。
松葉屋さんの目が確か、だったのでしょう。
さすが、何代もの、瀬川を出した、遊女屋です。
「べらぼう」風に考えると、松葉屋は現代の、芸能プロダクションみたいなものです。
奉公というと、お屋敷に引き取られて、お手伝いさんとして働くイメージですが、
将来は、遊女の最高峰、花魁にまで上り詰めるのだから、器量だけでなく、芸事にも優れていた、というわけです。
芸術に優れている、ということは、芸術、勉学をものにする才能に恵まれている、ことを意味します。
五代目瀬川、鳥山検校に身請けされる!
五代目瀬川は、有名な名跡を継ぐ花魁になり、1775年に、身請けされます
身請け、というのは、遊女が高額で、特定の人に売られる、ということです。
遊女は皆、借金の方(かた)として、遊郭に売られてくる人ばかりでした。
借金には利子がついて、莫大な金額となり、一人の女性が生涯の大半を遊郭で働かないと返せないほどです。
身請け、というのは、その遊女を気に入ってくれて、本人の代わりに借金を払う代わりに、その遊女を自分の手元に置くことを言います。
そのお金は、借金にプラスアルファがつき、遊女に人気があればあるほど、身請け金は高額になっていきます。
大抵の場合は、花魁を引退し、妻か、妾になります。
妾とは買い取った人の愛人ということです。
五代目瀬川を身請けしたのは、鳥山検校(とりやまけんぎょう)。
鳥山検校は、盲人で、検校という名前おは盲人に与えられた、最高の位です。
その金額は、1,400両、現代のお金に換算すると約1億4000万円。
これはすごい!余程の大金持ちでないと、お気に入りの遊女は身請けできませんね。
五代目瀬川にはそれだけの魅力があった、ということです。
五代目瀬川の悲劇とは?
身請けされるものの、五代目瀬川には不幸が襲ってきます。
五代目瀬川(花の井)を、身請けした、鳥山検校は、実は悪徳と高利貸し、と言われている人なのです。
五代目瀬川、鳥山検校の追放で
大物、で大金持ちなのですが、悪徳、と言われるからには、いつか処罰される日が来る、ということでしょうか?
鳥山検校は大金持ちなので、五代目瀬川は、裕福な生活を送ることができたと思います。
想われての身請けだから、大事にもされたはずです。
なにしろ、鳥山検校が、市原隼人さんにキャスティングされているので、単に金を物を言わせる「嫌なヤツ」に終わらないと思います。
身請けされて3年後、1558年、鳥山検校は全財産を没収され、江戸から追放されてしまいます。
当然、花の井(五代目瀬川)は、鳥山検校のところから追い出されるはめになります。
ここから、五代目瀬川の消息は切れてしまいます。
花魁時代を含めて、これまで、金銭的に恵まれた生活を送ってきた、五代目瀬川(花の井)は、たちまち生活に困るようになったことは、簡単に想像できます。
どこかで、ホームレスのようになってしまっている、なんて可能性も考えられます。
「べらぼう」的には、幼馴染の蔦屋重三郎が探し出して、保護するなんて結末も予想されます。
五代目瀬川のうわさ話
五代目瀬川は、行方知らずになっても、その噂は絶えませんでした。
鳥山検校が追放される時に、五代目瀬川は家出、武家の奥方になった、大工の妻になった、とさまざまな憶測が出回ります。
誰かの妻になるにして、武家と大工とはすごく違うのですが、この噂がどうして出てきたのか不明です。
また、当時はやった、戯作(げさく)のネタにもなっており、戯作者「田螺金魚」(たなしきんぎょ」が、洒落本「契情買虎之巻」(けいせいかいとらのまき)を書きます。
その内容は主人公は五代目瀬川、遊女たちの内情、生活、会話などを集めたフィクションにしたものです。
その中では、五代目瀬川と、客との悲恋物語が題材となり、人気を集めました。
さらに、五代目瀬川のその後まで書かれていました。
この本は「人情本」と呼ばれ、庶民の恋愛物語となり、人気を集めていきます。
五代目瀬川は、「べらぼう」でどんな活躍を?
花の井は、五代目瀬川となりました。
花魁とは、言ってみれば、遊郭 吉原のスターです。
「花の井」が、五代目瀬川になるための、スター誕生物語が、生まれそうです。
「べらぼう」では、主人公 蔦屋重三郎が江戸のメディアを取り仕切る、というストーリーです。
それなら、遊郭 吉原は、江戸時代の芸能界みたいなものです。
遊郭のイメージは、男性が、女性を買いに行くところ、というイメージがあって、現在の芸能界と、似たような感じ、というわけにはいきませんが、
蔦屋重三郎の考えでは、吉原は江戸の一大エンタテイメントの殿堂、のような捉え方をしています。
それこそがが、「べらぼう」の見どころなのです。
五代目瀬川(花の井)の、花魁への出世は、実は、蔦屋重三郎の演出の結果、という流れになりそうです。
吉原を芸能界に例えると、蔦屋重三郎は、さしずめ、江戸時代の秋元康みたいな、立場と考えられます。
まとめ
五代目瀬川 こと花の井 をみてみると、悲劇の人に見えます。
鳥山検校が追放になったのち、の人生を考えた場合が、かわいそう、と見えますが、
蔦屋重三郎がなんとかしてくれそう?
そういう希望を抱いているのですが。
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